ことのきっかけは、2012年11月
タモリがその様にしていると人づてに聞き
ネットで調べ、真為の程を確認した時、直感的にもう
自分は石鹸やシャンプーを使わないで生きていくことを悟った
環境の為、自分の為にオーガニックのそれらを使っていたが
使わなくて済むのであればそれにこしたことはない
使わない方がよほどオーガニックであるのは言うまでもない
ましては眠っている己の身体の本能を呼び起こし機能させられるとなれば
これはもう一つ返事での承諾となる
世が気にする清潔なのか、臭わないのかは
「清潔」の定義にも因るが、まずはそのメカニズムを探ってみた
健康な皮膚は常在菌である表皮ブドウ球菌という菌で覆われている
善玉菌である表皮ブドウ球菌は皮脂や汗をエサにし肌を弱酸性の状態に保つ
更にはいい匂いを発する
この状態だと肌自体が自浄効果を発揮
肌下で皮脂が分泌され酸化、角質層を浸食し古い角質を剥がれやすい状態にする
これを石鹸を使わないでお湯のみで流すと垢となって落ち
汗、汚れ、ホコリ、そして余分な皮脂もお湯で十分に溶解され流れ落ちる
だが繁殖して肌全体を覆い尽くすのに十分な表皮ブドウ球菌は残り
外皮を覆い尽くし肌を健康な状態に維持する
更には28日の周期で皮膚上の細胞は分裂し、古くなった皮膚ははがれ落ち
このターンオーバーという仕組みにより新たな皮膚に生まれ変わる
これが健康な肌、医学的に言うところの清潔な肌
一方、石鹸やシャンプーで体中をゴシゴシ洗うと
有益である表皮ブドウ球菌を一掃することになる
すると悪玉菌である黄色ブドウ球菌や真菌が増殖し始める
細菌はその数で勢力が決まるため
1億個の表皮ブドウ球菌と1億1個の黄色ブドウ球菌がいれば
黄色ブドウ球菌が優位に立ちここぞとばかり繁殖し
肌を乾燥させ、痒み、炎症を招き、更には悪臭を放つ
石鹸による洗浄でアルカリ性に傾いた肌を早く元の弱酸性の状態に戻そうと
肌自体が酸化を促進し、乾燥、老化を早める
これは医学的に言うところの不健康な肌の状態なのである
本来人の肌には自浄効果が兼ね備わっており
それはお湯で流すことで発揮され、清潔になる
だが人は誰かの利潤目的の為に擦り込まれた習慣により
心理的にも清潔感を覚えたいがために
洗浄力の強い石鹸やシャンプーで泡を立ていい香りに包まれ
肌を清潔に保ち人間本来のいい匂いを放つ善玉菌を洗い落とし
無菌無脂状態にする
その代わりに悪臭を放ち、乾燥肌にする悪玉菌をわざわざ繁殖させ
ローションなどの保湿剤をわざわざ塗り脂分を補う
石鹸やシャンプーを使わないという発想は確かにエキストリームだが
肌にとってみればどちらがエキストリームかは明白だと自分に言い聞かせ
時として石鹸に手が伸びそうな時もあったが
表皮ブドウ球菌の力を信じ、放任し続けていたら
一月ほど経つと痒みも落ち着き、精神的にも泡と香りがなくても
清潔になっているのだと感じられるようになった
人間の順応性は想像するより遥かに早い
一年も経つと石鹸やシャンプーを使うことは到底正気ではあるまいと
あまり口にはしないが心の底では思うようになった
浴室にいる時間は短縮され
石鹸代、シャンプー代、水道代は大幅に節約される
肌の状態は当然だがよく、ローションなどもこの一年、一度も塗っていない
いかに人は習慣に振り回されて生きているのか
自分の生活に疑いを持たずに生きているのか
肉食を絶った時に人は肉を食べずに生きていけると知った時と同じような
自分で自分のライフスタイルをコントロールしている実感というのがある
この感覚は自分にとってなにものにも変え難い
次はどの作られた習慣を暴いてやろうかと企んでいる