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February 2011  Back to Top
ブイヤベース と ルイユ

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ここ一年ほど仏料理(ほとけりょうりと読む)、或いは西洋料理以外あまり口にしておらず
先日の上海トリップでは久しぶりに亜細亜の味覚を堪能した
が、慣性の法則やらでか帰国後、体はトリップ前の状態を維持しようと
いつもより仏色の濃いものを求めた
ということで今回は南仏は地中海に面する仏最大の港町、コート・ダジュールの首府
マルセイユの代表的なスープ、「ブイヤベース」を作ることに

「bouillabaisse」とは
bouillie=沸騰させた、と、abaisser=下げる、という単語を組み合わせた造語
スープが沸騰したら直ちに火加減を弱め、短時間で仕上げる、といった意味合の料理
元々は漁師が売り物にならない小魚をごった煮にしたものが起源とされ
その内に大きな魚や仏料理には欠かせないハーブ類などが加えられ
後に仏国全土に広まる国民的郷土料理となっていった
昨今では多岐にわたる食材や味付けの多様化から伝統を守るべく
「ブイヤベース憲章」なる規定によりその定義が厳守されている

特色の一つ、小魚で強火且つ短時間でだしをとる
これがブイヤベースがブイヤベースたる所以ではある訳だが
ごく一般的な家庭で作る際、使い道に困った捕れたての小魚がありあまってるはずはなく
そうなればその時その場で使う食材に準じて火の入れを調整する必要が、ある

今回は近所のスーパーで取り揃えたアサリ少量、バーレーン産の小さな渡り蟹
カラスガレイ半身、生タラ二切れ、そしてキンメダイの身二切れとアラ少量
実はキンメダイはアラだけでよかったのだが、今回は身もついでに買わされたかたち
高級魚のだしで手頃な魚を美味く食べてやろうという狙いがあったのは
メインとなるのはだしの効いたスープの方であるため

具材のキュイソンはそれぞれ違うので入れるタイミングや火加減も違ってくる
ワタリガニをハサミで小さく刻み、多めのオリーブオイルでソテー、甲殻の風味を油に移す
カニはエグテ、残った油でアイユアシェ、タマネギ、セロリのエマンセ
本来ならポワロを使いたいところだが、今回は家にあった長ねぎを応用
ミルポワ全てがしんなりするまでスエ、上がりにセルポワ
そこにカニを戻し入れ、キンメダイの頭を細かくしたものとアサリを入れ、ブランデーでフランベ
サフラン、フェンネル、ブーケガルニ、トマトのコンカッセ、水をたっぷりと入れる
アサリは口が開いたら取り出しておく
この状態で2時間ほどミジョテ、最初に出る灰汁はしっかりとエキュメ
後のエキュメは控えめに、特にオリーブオイルには具材の旨みが移っているので引かないよう気をつける

切身にはオリーブオイル、セルポワ、サフランをまぶし冷蔵庫でマリネ
ジャガイモはココットより小さめにして変色しないよう水に浸けておく
トゥルネした際に出たジャガイモの剥きかすはルイユ用に水からグロッセルと共に煮る
鷹の爪は一回ブランシールしてからアシェ、すり鉢でニンニク二個とすり合わせておき
そこへ茹でたジャガイモの剥きかすを入れ、滑らかになるまで更にする
次に卵黄一個を混ぜ、サフランの戻し汁を少量加え練り混ぜたら、ルイユはここで一旦置いておく

魚の骨は20分以上煮るとえぐみや臭みがでるので、煮込み終わる20分前に入れる
ミルポワとあらからだしが出切ったらシノワでパッセ、具材をルーシュで強く押し汁気を絞り出す
スープは再び火にかけ一旦沸かし、沸騰寸前の状態で大きい身から順に魚をポシェ
今回は冷凍庫のブラックタイガーを途中で思い出したので、このタイミングで同じくポシェ
魚の身は気持ちアンダーに火入れ、余熱でナクレの状態になるようにする
具材全てをそっとエグテ、バッドにあけてラップをして保温
スープを軽く沸かしジャガイモを竹串がすっと入るくらいまで煮る
この時点で煮汁少量をルイユに混ぜ、オリーブオイルを加えペースト状にする、これでルイユは完成
ジャガイモに火が通り次第、他の具材や焼いたバゲットと共にスープを盛り、ブイヤベースも出来上がり


ミルポワ、ハーブ、サフランの香り、キンメダイとカニが主体の魚介風味たっぷりのスープ
う~ん、これだ
そして名脇役となるルイユは、バゲットに塗りスープに浮かべて溶かしながら食べるという
なんとも馴染みのない食べ方だが、生のニンニクが効いたその存在は大で
ブイヤベースには欠かせないサイド・キックとなり、全体を取りまとめてくれる

求めていた味に戻ることが出来一安心、漸くいつものモードに戻ったことを実感
また暫くは仏料理(ほとけりょうりと読む)の日々が続くのだ、だ

上海 オーガニック農園ホテル 視察

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