初詣は近所の増上寺、これは芝浦に越してからの恒例行事
久しぶりに大吉を引いたが、今年は前厄とあってそう浮ついてもいられない
前回の厄年にはまともな厄祓いはしていなく、今年こそはと、伊勢神宮へ向かうことに
特に伊勢神宮が厄払いの名所というわけではない
日本最古の厄除霊場というのは同じく三重県は松阪にある岡寺 山継松寺であるし
厄除けの総本山として知られるのは岡山県は倉敷にある由加山の由加神社本宮とある
更に云えば、厄払いの時期というのは年の節目の正月に行う現代流が一般的だが
年の節目は旧正月、今で云う節分であり、厄祓はこの時期に、という説もある
そしてもう少し踏み込むのであれば、自身の神道に伴った寺社に行くべきである、と
が、今回は取り分け伊勢神宮に年頭に行きたかったのと、今年は前厄だし
来年の本厄にはまた別のところに行ければ、というのがあっての、初「お伊勢さん」
内宮、外宮、共に年間を通して朝は5時から参拝可
今回は前乗りして内宮のP4で夜を明かし、8時からの御祈祷に合わせ
セオリー通り外宮からの巡拝
2011年1月10日、日の出時刻は 7時3分
宇治橋の東、島路山から昇る日がちょうど鳥居の間からとなる冬至前後のこの時期
「その光景」をとらえようと多くの人が集まる、最初は参拝の行列かと思い焦った
向こう岸の聖界、こちら岸の俗界、それらを隔てる清流、五十鈴川
参道途中の巨木達
日本国民の総氏神、太陽を神格化した天照皇大神が祀られる正宮
雨の日に行事を行う五丈殿
神楽殿の屋根、この隣の御饌殿で御祈祷を受け、身も心も軽やかに、あーすっきり
厄を祓った後は楽しみにしていたこちらも初の「伊勢うどん」
噂には聞いていたが例外なく自分のうどんの概念からも大きく外れていて
通常のうどんから想像するとあらゆる面でその圏外に位置する
麺などは腰がないという次元ではなく、太いというカテゴリーには到底収まらない
人には固定観念や先入観というものがあるため、伊勢うどんを的確に伝える際は
うどんの枠から一旦外に出る必要があり、或いはみたらし団子などになぞらえ
つゆはあんを割下で溶いたように甘辛く、ややとろみがあり
麺は小振りの団子が連なっているかのように太長いが、マシュマロの様に柔らかい
主食というより菓子などの間食のような感覚で、一応うどんを謳うが
「伊勢」と「うどん」の間にスペースは入らず、「伊勢うどん」と称すべきもの、と
一件目は十時の開店時にそばにいたため「おはらい町通り」に面した「わらじや」に入る
少なめのつゆ(こちらでは「たれ」という)は見た目に反し、甘味とだしの風味が主体
麺はもちもちというよりふわふわ、マット加工を施した表面には「たれ」がよく絡む
決して通常のうどんと比べてはならない、これには物事の客観性が問われる
二件目は近くにあった「やまだ」、正直違いがよく分からない
そもそも腰がないわけだから、腰の差などというものは微々たるもので
それに甘辛いたれなんぞはどう取りただせばよいのか
コンビニの寿司と職人の握る寿司の違いを評する外人のような気分
これは幼い頃から食べ慣れているか、そうとう食べ込まないと分からないレベルか
いずれにせよ、間違っても通常のうどんと比べてはならない
表に出たら獅子舞に嘲笑われたが
懲りずに三件目、「おかげ横丁」内の「ふくすけ」、待ち札は八
他の二店は食堂だったが、こちらは風情のある蕎麦屋ならぬ「伊勢うどん屋」といった趣
年明け早々の鳥居前町ならではの厳かな空気は自分好み
味覚は雰囲気に大きく左右されるものだが、ここは三件の中では一番美味いと感じた
美味いのであれば、通常のうどんと比べる必要はないわけで
今回のホームベース「伊勢萬」にてサケ・ブレイク
何かに託つけてはこちらで一杯、という具合に何度もお世話になった居心地のよい酒屋
この日の〆は四件の中では最も庶民的な「二光堂支店」 @ 8番机
ゲットー以上、食堂未満、デートには不向き、デフォルトで相席
隣の立ち呑みスタンドで買った飲みかけのビールカップを持ち込んでもお咎めなし
この路線は好きな人は好きなはず、おはらい町通りの懐の深さをを感じさせる店
やはり、如何なる理由であれ通常のうどんと比べてはならない
夫婦岩では5月〜7月の夏至の前後、岩と岩の間から昇る日の出を崇められるらしい
「おみちびき」や「みちひらき」で知られる猿田彦神社、柱など様々なものが八画形
拝殿前の古殿地に立つ方位石、願い事により触る方位や順序が異なり
自分は「巳」「酉」「丑」の順に強く念を入れてきた
前日は祝日だったのもあり行列が絶えず止むなくスルーしたおはらい町通りの「岡田屋」
この日は偶々開店直前に着き、外で待っていたら店の人が早めに開けてくれ一番乗り
伊勢うどんの締め括りはちょっと遊んで卵入り
とは云え、こちらの卵入りは他店の「月見」と違い、ふわっととじてあるイメージ
素うどんではないので前日の四件とは公平に比べられないが
他の何を取ってもこちらの店のが今回の断トツ一位、全くもって別格の一杯
美味しい伊勢うどんというのに漸く辿り着いた感、アリ、アリ
(因に讃岐うどんお遍路編は → コチラ)
「ホームベース」の外観、このいつでもウェルカムな佇まいに自然とまた足が、が
「ふくすけ」も平日の朝は空いていた
そして最後にここ何年か気になっていた伊勢のベジ屋、「喜心」へも伺った
去年の今ごろ、二十数年の非肉食生活の末、仏料理を探求すべく肉食を再開した
そして改めて認識したのが
このようなベジ食には肉食では満たすことの出来ない特別なエネルギーがあるということ
そんなことに再度気付かせてくれた有意義な食事を供してくれた喜心さんに感謝、感謝、