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September 2010  Back to Top
カニと赤唐辛子とライム の パスタ

crabagain1.jpg


日銀の為替介入で円高に歯止め、となるか否かはさておき
輸入物の円高還元セールは今の内にチェック

何年も前から購入に二の足を踏んでいたパスタマシーン、この機に遂に入手
定番中のド定番、伊製のインペリア SP-150、最新モデルは待ってましたのトレイ付き
替刃は 2mm と 6.5mm が付属して定価 17.325円、が
今ならなんと、9.000円とほぼ半値
もう一つ替刃 1.5mm(通常8.400円が4.680円)を追加して送料は無料に
先日ようやく我が家のキッチンに仲間入りした


材料:
生パスタ
デュラムセモリナ粉 175g
薄力粉 75g
塩 小さじ3/4
全卵 2個
オリーブオイル 小さじ2

ソース
オリーブオイル 適量
ニンニク 1片
赤唐辛子 1本
わけぎ 数本
塩/黒胡椒 適量
白ワイン 適量
ライム 1/2個
カニ缶 1/2缶
イタリアンパセリ 適量


作り方:
セモリナ粉と薄力粉と塩を混ぜ、ふるいにかけてフォンテーヌ
粉を寄せ集めて中央にくぼみを作り、そこへ卵を割り入れオリーブオイルを注ぐ
フォークで卵をくずし、徐々に粉と絡めていく
ある程度混ざったら手でまとめ、少しずつ回しながら体重を乗せてこねていく
15分以上練り続け、表面にツヤがでてきたらオリーブオイルを薄く塗り
ラップを二重にして冷蔵庫にて一昼夜寝かす

ルポゼが終わったら必要な分だけカットし、麺棒である程度の薄さに伸す
パスタマシーンに打ち粉をし、一番厚くなるセッティングに目盛りを合わせ
生地を2回通しては1/3に折りたたみ、を数回繰り返し、形成すると同時に腰をだす
一段ずつ薄く伸し、厚さ2mmほどになったら刃に通し、打ち粉をして5分ほど干す

dryingpasta.jpg

後から知ったが干さなくても打ち粉をしっかりとしておけば麺同士がくっつかずにすむ

ソース
冷たいオリーブオイルにニンニクのアッシェを入れ火にかけ
2回水からブランシールした赤唐辛子のエマンセと、白ワインを入れ酸味をとばし
ライムの果汁、カニ肉、わけぎのエマンセを入れサッと和え
塩コショウでアセゾネして保温

パスタが茹で上がったら打ち上げ、オリーブオイルと塩コショウを軽くし
イタリアンパセリのコンカッセと共にソースと合わせる
盛付け前にもう一度ライムを搾り、オリーブオイルを振ったら出来上がり


メモ:
パスタを打つ際はなるべく手際よく、表面が乾かないようにしないと割れてしまうので注意
麺状になってからも乾き過ぎてしまうと折れやすいので、ある程度湿度を保たせた方がよい
ブランシール=沸騰した湯で湯がくこと、今回は唐辛子の辛味を抑え風味のみを立たせた
ルポゼ=肉や生地などを寝かすこと
イタリアの家庭ではルポゼを省き、こねたら直ぐに打ってしまう場合も多いと
使用した刃は1.5mm、生パスタは太いと十割蕎麦みたいにもったりぼそぼそとしてしまうので
一番細いカッペリーニ/エンジェルヘアーが自分好み
生パスタ独特の食感と粉の風味は作る労力を忘れさせてしまう何とも云えない至福の味
しっかり寝かせた生地で作った打ち立てのパスタは真なる贅沢
乾燥麺でも充分に美味しいが生パスタはまったくの別物
これから暫くはもっと美味しく作れるよう研究
また一つ料理の楽しみが増えた~

牛頬肉のブレゼ、ニンジンのフォンダンとチーズのクロメスキ、トウモロコシのガレット添え
帆立貝のファルス入り舌平目のブレゼ ヴェルモット風味
アーノルド・ベネット 風 オムレツ

材料:
オムレツ
オリーブオイル 適量
バター 適量
卵 2ヶ
生クリーム 大2
塩コショウ 適量
タラ 1 or 2 切れ

モルネーソース
強力粉 12g
バター 12g
牛乳 250~350mlの間で調整
卵黄 1ヶ
グリュイエールチーズ 適量


作り方:
ルーからベシャメルを作り、ベシャメルからモルネーを作る
バターと小麦粉をフライパンで熱し、じっくりと粉に火を入れ、サラッとしたら粗熱を取る
沸かした牛乳を最初は少し、そして徐々に量を増やしながら入れ混ぜ濃度をきめる
卵黄とチーズ適量を入れよく溶かし混ぜ、塩コショウをしてモルネーソースを仕上げる
冷めると状態が変わってしまうので湯煎にて保温しておく

タラ
塩コショウをし、グリルで両面アンダー気味に火を入れ、皮を剥ぎ骨を取り、身をほぐして保温

オムレツ
フライパンでオリーブオイルとバターを熱し、生クリームを加え塩コショウをした生卵をほぐし入れ
中強火に7秒ほどかけながら混ぜ続ける、一旦火から降ろし更に混ぜ、滑らかな状態にする
フワッと半熟状になるまで火にかけたり降ろしたりを数回繰り返す、火の入れ過ぎに注意
そのままひっくり返さずに冷めた皿にスライドさせ、半熟の状態のままそれ以上火が入るのを防ぐ
その上にほぐしたタラをまんべんなく乗せ、温かいモルネーソースで全体を覆う
オーブンに入れグリルでほどよく焦げ目を着けたら出来上がり

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モルネーをかける前の状態、鱈と卵のバランスはお好みで、今回はお夜食だったので卵は二個


メモ:
ベシャメルは牛乳とルーの温度差があった方がダマになりにくく、滑らかに繋がる
ナツメグを入れる場合もあるが、牛乳や乳製品特有の風味が気にならない方は入れなくてもよい
チーズはグリュイエールをよく使うがパルメジャンや他のチーズでも代用可
もしくは何種かを混ぜるとより風味が良い
モルネーは鱈の身の隙間を埋めるくらいの濃度にし、下の半熟卵と一体感がでるようなイメージで
焼き色を付ける際、グリルのような上火ではなく通常のオーブンで焼く場合は
耐熱皿で焼かないとお皿が割れてしまうこともあるのでご注意を(その場合卵は生に近い半熟で)
最後にガストーチ/バーナーで炙って焦げ目をつけると一層おいしそうに
本来鱈は薫製を使うが、今回は生のものでアレンジ
とっても美味しく頂けたが、次回は是非薫製物でオリジナルに忠実に作ってみたい


「アーノルド・ベネット風オムレツ」はアーノルド・ベネットという人のために
エスコフィエが考案した料理


ベネット
20世紀初頭に活躍した英小説家/代表作「二人の女の物語 1908」
劇作家、評論家、そして美食家としても知られる
「インペリアル・パレス 1930」という小説を執筆中
英国初の高級ホテル、ロンドンのサヴォイホテルに滞在していた際
当時の料理長のエスコフィエに特別に作ってもらったオムレツをすこぶる気に入り
その後、彼の行く旅先には必ず用意しておくよう手配したという逸話の元、その名がついた
以降、サヴォイホテルでも定番メニューとなり、今日でも人気を博している

エスコフィエ
19 世紀後半から20世紀初頭にかけ、フランス料理の近代化への道を開拓した
言わずも知れたフランス料理、いや、西洋料理史上最も偉大な料理人
それまでの古典的な料理の盛付けを簡素化し、ホールでの切り分けを省き
コースメニューを提案/定着させた人物でもある

厨房内の特定の業務を専門とする役職システムを組織化/体系化した
俗にいうフレンチ・ブリゲードを確立したのもエスコフィエ
シェフ・ド・キュイジーヌ=料理長、スー・シェフ=副料理長
ソーシエ=ソース担当(厨房の花形)ブーシェ=肉/家禽担当、ポワソニエ=魚介類担当
パティシエ=菓子職人など、現代の厨房のシステムの礎は同氏により築かれた

オーギュスト・エスコフィエはフィレアス・ジルベールやエミール・フェテュらと共に
「ル・ギード・キュリネール 1902(料理の手引き)」という本を刊行しており
同書はフランス料理のバイブル、西洋料理の教典、現代料理の文化遺産的書物とされ
それまでの複雑なフランス料理の調理法の簡略化、合理化、近代化を図り
過酷な職種であった料理人の負担を軽減し、文化を担い尊敬される職業と認知されるべく
その社会的地位と質の向上を導いた
当書には5000以上の伝統的な仏料理の全てが記されており
現代においてもなお、いくら讃辞を書き連ねても書き足りないとまで称されている
この他に「メニューの本」「私の料理 」「調理便覧」など多数の書籍を遺した

また、セザール・リッツとタッグを組み、ロンドンのサヴォイホテルの再建後
ローマにグランドホテル、パリにリッツ、ロンドンにカールトンなどの
豪華ホテル/レストランを世界に先駆けて開業した実業家でもある


そんな重い歴史は感じさせない至って庶民的な味わいのオムレツ
というか卵とじグラタン?? 新食感、それほど好きになるのも分からなくもないい
ワインのお供にもぴったりかと

バスク風 鶏の 煮込み

バスク地方の郷土料理
Poulet Basquaise プーレ・バスケーズ/仏
Pollo a la vasca ポジョ・ア・ラ・ヴァスカ/西
Basque Chicken バスク・チキン/米
バスク風 鶏の煮込み/日
チキンのトマト煮/ご家庭

どれも同意、言語/表現の違い、ちがい
言葉は伝わればそれでよし
伝わらない部分は写真で

写真でも伝わらない部分は食べて知るのみ

材料:
鶏腿肉 大2切れ
ニンニク 1片
タマネギ 大1
ベーコン 2切れ
パプリカ 赤黄各1
白ワイン 適量
トマト缶 1缶
フォンドボライユ 適量
エシャロット 1個
ブーケガルニ 1束
塩コショウ 適量
小麦粉 適量
オリーブオイル 適量
バター適量
ピマン・デスプレット 適量
パセリ 適量

作り方:
鶏肉の水分を拭き取り、一口大にして塩コショウを振る、小麦粉をよくまぶし、よく落とす
オリーブオイルとバターを熱し、トリ肉をセジール、中には火を入れず焼き色をつけるのみ/強火
鶏肉を一旦取り出し、鍋の余分な脂を軽くキッチンペーパーで拭き取り
バターを足し、ニンニクアシェ、タマネギアッシェを入れ、しんなりするまでスエ
ベーコンのラルドンを入れベーコンの旨味が全体に移るまで火を通す
パプリカのエマンセを入れサッと和え、白ワインでデグラッセ、酸味を充分に飛ばす
トマト缶、フォンドボライユ、エシャロットエマンセ、ブーケガルニを入れ、鶏も戻し入れる
主役のピマン・デスプレットはここで投入、蓋をして20分ほど煮込む
仕上げに塩胡椒で味を整え、ペルシアッシェを飾って出来上がり


ベーコンの代わりにハムを使う場合もある、またはどちらもなしでも可
ラルドン=7mm角の棒状の切り方
デグラッセ=鍋底にこびりついたうま味成分などをこそげ落とすこと
白ワインの酸味はしっかりと飛ばしてからトマトなどを入れないとずっと酸っぱいままになるので注意
ブーケガルニ=ポロネギの緑の部、セロリの葉、タイムの枝1本、ローリエ1/2枚、パセリの軸1本
とろみをつけたい場合は蓋をしないで煮込んで水分を飛ばす
うちで育てているバジル、需要<供給、なので
葉が固くなる前にオリーブオイルに漬けてあり、このメニューにはぴったり
お気に入りのピマン・デスプレットが堪能できる、ピペラードに次ぐバスク地方の料理
ピマン・デスプレットがない場合はカイエンペッパーや一味唐辛子で代用可
ご飯にもパンにもよく合う一品


今回は近所のスーパーで3割引で買った国産地鶏を使ったが
いつかはフランス産鶏肉の最高峰、プーレ・ドゥ・ブレス でも作ってみたい
ブレス地方産のA.O.C.認定の鶏は、仏国三大地鶏の中でも群を抜いて最高品質のもので
出荷前の2週間は鳥籠内で牛乳を混ぜた餌を摂りふっくらと肥えてから市場に出るため
他のものに比べてジューシーなのが特徴、地鶏なのに、で風味が格別によいとのこと
日本にも入荷されてはいるがとても手が出るお値段ではないぃ
でもいつか、何時か

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