材料:
オムレツ
オリーブオイル 適量
バター 適量
卵 2ヶ
生クリーム 大2
塩コショウ 適量
タラ 1 or 2 切れ
モルネーソース
強力粉 12g
バター 12g
牛乳 250~350mlの間で調整
卵黄 1ヶ
グリュイエールチーズ 適量
作り方:
ルーからベシャメルを作り、ベシャメルからモルネーを作る
バターと小麦粉をフライパンで熱し、じっくりと粉に火を入れ、サラッとしたら粗熱を取る
沸かした牛乳を最初は少し、そして徐々に量を増やしながら入れ混ぜ濃度をきめる
卵黄とチーズ適量を入れよく溶かし混ぜ、塩コショウをしてモルネーソースを仕上げる
冷めると状態が変わってしまうので湯煎にて保温しておく
タラ
塩コショウをし、グリルで両面アンダー気味に火を入れ、皮を剥ぎ骨を取り、身をほぐして保温
オムレツ
フライパンでオリーブオイルとバターを熱し、生クリームを加え塩コショウをした生卵をほぐし入れ
中強火に7秒ほどかけながら混ぜ続ける、一旦火から降ろし更に混ぜ、滑らかな状態にする
フワッと半熟状になるまで火にかけたり降ろしたりを数回繰り返す、火の入れ過ぎに注意
そのままひっくり返さずに冷めた皿にスライドさせ、半熟の状態のままそれ以上火が入るのを防ぐ
その上にほぐしたタラをまんべんなく乗せ、温かいモルネーソースで全体を覆う
オーブンに入れグリルでほどよく焦げ目を着けたら出来上がり
モルネーをかける前の状態、鱈と卵のバランスはお好みで、今回はお夜食だったので卵は二個
メモ:
ベシャメルは牛乳とルーの温度差があった方がダマになりにくく、滑らかに繋がる
ナツメグを入れる場合もあるが、牛乳や乳製品特有の風味が気にならない方は入れなくてもよい
チーズはグリュイエールをよく使うがパルメジャンや他のチーズでも代用可
もしくは何種かを混ぜるとより風味が良い
モルネーは鱈の身の隙間を埋めるくらいの濃度にし、下の半熟卵と一体感がでるようなイメージで
焼き色を付ける際、グリルのような上火ではなく通常のオーブンで焼く場合は
耐熱皿で焼かないとお皿が割れてしまうこともあるのでご注意を(その場合卵は生に近い半熟で)
最後にガストーチ/バーナーで炙って焦げ目をつけると一層おいしそうに
本来鱈は薫製を使うが、今回は生のものでアレンジ
とっても美味しく頂けたが、次回は是非薫製物でオリジナルに忠実に作ってみたい
「アーノルド・ベネット風オムレツ」はアーノルド・ベネットという人のために
エスコフィエが考案した料理
ベネット
20世紀初頭に活躍した英小説家/代表作「二人の女の物語 1908」
劇作家、評論家、そして美食家としても知られる
「インペリアル・パレス 1930」という小説を執筆中
英国初の高級ホテル、ロンドンのサヴォイホテルに滞在していた際
当時の料理長のエスコフィエに特別に作ってもらったオムレツをすこぶる気に入り
その後、彼の行く旅先には必ず用意しておくよう手配したという逸話の元、その名がついた
以降、サヴォイホテルでも定番メニューとなり、今日でも人気を博している
エスコフィエ
19 世紀後半から20世紀初頭にかけ、フランス料理の近代化への道を開拓した
言わずも知れたフランス料理、いや、西洋料理史上最も偉大な料理人
それまでの古典的な料理の盛付けを簡素化し、ホールでの切り分けを省き
コースメニューを提案/定着させた人物でもある
厨房内の特定の業務を専門とする役職システムを組織化/体系化した
俗にいうフレンチ・ブリゲードを確立したのもエスコフィエ
シェフ・ド・キュイジーヌ=料理長、スー・シェフ=副料理長
ソーシエ=ソース担当(厨房の花形)ブーシェ=肉/家禽担当、ポワソニエ=魚介類担当
パティシエ=菓子職人など、現代の厨房のシステムの礎は同氏により築かれた
オーギュスト・エスコフィエはフィレアス・ジルベールやエミール・フェテュらと共に
「ル・ギード・キュリネール 1902(料理の手引き)」という本を刊行しており
同書はフランス料理のバイブル、西洋料理の教典、現代料理の文化遺産的書物とされ
それまでの複雑なフランス料理の調理法の簡略化、合理化、近代化を図り
過酷な職種であった料理人の負担を軽減し、文化を担い尊敬される職業と認知されるべく
その社会的地位と質の向上を導いた
当書には5000以上の伝統的な仏料理の全てが記されており
現代においてもなお、いくら讃辞を書き連ねても書き足りないとまで称されている
この他に「メニューの本」「私の料理 」「調理便覧」など多数の書籍を遺した
また、セザール・リッツとタッグを組み、ロンドンのサヴォイホテルの再建後
ローマにグランドホテル、パリにリッツ、ロンドンにカールトンなどの
豪華ホテル/レストランを世界に先駆けて開業した実業家でもある
そんな重い歴史は感じさせない至って庶民的な味わいのオムレツ
というか卵とじグラタン?? 新食感、それほど好きになるのも分からなくもないい
ワインのお供にもぴったりかと