ここのところずーっと探していたが全然見つからなかった香辛料
ピマン・デスプレット (ピマンはピーマンの意、よって赤トウガラシ)
探せば探すほど身の回りに流通しているものではないということが分かっていき
ない、となると余計に欲しくなる、例のアレ
発病したが最後、最後
一通り手を尽くし、その手の「関係者」に助言を仰いだところ
直ちに特殊ルート(この場合、業者/株)アルカン)に発注して取り寄せてくれるとのこと
事態は急展開を向かえ、ものの数日後に事無きを得た
ピマン・デスプレット 「Piment d'Espelette」
EU屈指の美食地帯でも知られる、フランスとスペインをまたぐバスク地方の北端
つまり仏圏内、の山間に位置するエスプレット村の特産物
チキン・バスケーズやアショワなどのバスク料理には欠かせない香辛料の代表格
料理を引き立てる名脇役、というより立派な立役者
元々はメキシコの植物で、16世紀にコロンブスの大航海に同行した
バスク人の手によって持ち帰られたのが起源
最初は主に薬用として使われていたのがいつしか食用となり
今ではAOCやPDOにも認定され、そのブランディングは国際的にも保護されている
収穫は9月頃、家の外壁/バルコニーやパサージュなどに吊るされて乾燥されるため
辺りは「バスク・ルージュ」と呼ばれる夏の終わりを告げる村の風物詩となる
この地方のレストランでは塩やコショウと並んで食卓に常備され
料理を食す直前に一振りし、その芳醇な辛味を楽しむものでもあるらしい
辛さを示すスコヴィル値は4000と低く、アロマティックな「効能」がやはり主役のよう
辛くないトウガラシと云えば、京都の万願寺とうがらしにも似ているのだとか
(今度はこれが気になり始めた)
7人で共同購入したため一人当たり24g(ただし目分量)
香辛料はなるべく少量ずつ購入し、香りが効いてる内に使い切る
ケチって大量に買い置きするよりよっぽどスマート
試しに作ったバスク地方の伝統的な郷土料理、ピペラード
ニンニク、タマネギ、ピーマンを柔らかく炒めてトマトで煮込んで卵でとじる
今回は卵はポーチして上に乗せたバージョン
要はラタトゥイユを卵でまろやかにし、ピマン・デスプレットでピリッと風味を効かせた感じ
具材の赤、緑、白はこの地方のシンボル旗を象徴している
材料:三人分
オリーブオイル 適量
ニンニク 一片
ローリエ 1/2枚
タイム 一枝
タマネギ 大2
赤/緑ピーマン 計6個
トマト缶 1/2缶
ピマン・デスプレット 適量
卵 3個
バジル 適量
塩コショウ 適量
作り方:
オリーブオイルでローリエ、ニンニクのアッシェ(みじん切り)を炒め
香りが立ったらタマネギのエマンセ(薄切り)を入れしんなりと柔らかくなるまで炒め
ピーマンの薄切りを入れ20分ほどしっかりと炒める
野菜の水分が沢山出てくるるので、その水気がほぼなくなるまでゆっくりと
トマト缶を入れ水分を飛ばしながら煮込み、煮詰まったら塩コショウで味を整える
最後にピマン・デスプレットを入れ香りをつけ
皿に盛ってからポーチドエッグを上に乗せれば出来上がり
好みでバジルを散らしてもよろしい