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June 2009  Back to Top
豆腐の坦々麺
熱海 と 初島

熱海に着いた。
東京よりちょっと南下しただけなのに、肌に当たる空気の感じが
アジアのどこかの国みたいに生暖かくて心地いい。
初島行きのフェリーの時刻表を閲覧。ちょうど出航する便を数分の差で逃してしまった模様。。

特にその船に乗る必要はなかったが、ぽっかりと空いてしまった少しの時間、
港から歩いてすぐの所にある、今にも止まりそうなロープウェイに乗って
秘宝館前の展望台へ行くことにした。


旅というのは
どんな所に自分を置いて、どれだけ視覚的に情報を収集して、
物理的にノルマをこなしていくかということよりも、
脳がちゃんと「あの旅のモード」になっているかどうかが
人に、ああ、旅をしているんだな、と実感させる。

せっかくの時間とお金と労力を裂いて、
日常からの脱却を、いつもとは違った五感の活性化を図っても、
脳がその、ある特定の状態にならない限りは、旅を本当の意味で満喫することは出来ない。

感覚から得られた情報の束自体にはそれといった意味はなく、
時間の感覚から解放された、目的意識から野放しにされた脳が、
それらをどう改訳し、脳のどのエリアで集散させ、
そして旅モードの守衛をきちんとアクティベイトさせるか、、
そこをコネクトした脳の状態こそが「旅をする」ということであり、旅の持つ本来の定義にある。

マインド・マップ上に埋め込まれたそのジオタグデータにアクセスし、
そこまでのルートの簡略化や高速化に意識を集中させれば、
想定外な展開になった時や、奇想天外なハプニングが起きた時など、
大抵のシチュエイション下でも旅のフィーリングを最大限に享受出来る。


ここにはもう何回来てるのだろう。
初めて来たときからかなり裏ぶれていたので、それから何年も経った今、
何がどう変わっているのかも分からない、それくらい老朽の程度がそのままだった。

高台になっている展望台からは、山膚に佇む熱海の町並みと小さな港が一望出来る。
日差しは強く、湿度はやや高い。梅雨から初夏への季節の移り変わりが肌で感じられる。

そこでは特にやることもなかっので、ぼんやりと水平線を眺めたり、
記念撮影をしている外国人の服装などからどこの国の人かを想像してみたりして過ごした。
しばらくその辺を適当にうろうろしていたら、いつの間にか下に降りる時間になった。

帰りのロープウェイはさっきの外人達と一緒でゴンドラは満員になった。
自分が22歳の頃、イタリアの最南端にある町/ブリンディシからユーレイルパスを利用して
ギリシャのアテネまで海洋タンカーの様な巨大なボートで14時間かけて渡航した時の
甲板を埋め尽くした溢れんばかりのバックパッカーの群れを一瞬だけ思い出した。

港に戻ると初島に行くフェリーはもう停泊していた。
ゆとりを持って降りてきたので出航まではまだちょっとだけ時間がある。
申し訳程度のお土産コーナーはあっという間に見終えてしまったので、
今度はビールを呑んで時間を潰すことにした。
時折かすめる潮の香りに混じったフェリーのエンジンオイルの匂いが、
これからの短い船旅に期待を抱かせた。

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