2007年は「Feaks and Geeks」というアメリカのハイスクール・ドラマに決まり。時代は1980年の設定(99年制作/00年放送)ドラマなのにびっくりするほどリアリティーを忠実に描いた、これはもうある意味ドキュメンタリー?とも言える異作(実際に脚本を書いたPaul Feigという方のセミ自伝的要素も含まれている)誇張された演出や粉飾などはほとんどなく、全米の学園で実在したストーリーをひとまとめにして60分/18話にぎゅっと凝縮してしまった様な、濃密で、痛々しいほどリアルな作品(ちなみにプロデューサーは「40 Year Old Virgin」のJudd Apatow)。このドラマではそれまであまり題材にされてこなかったイケてない人種、Freaks(=裕福な家庭を持たず drug, sex and rock n' rollで、休み時間に体育館の裏とかでタバコを吸ってそうなアウトローな人種)と、Geeks(=またはNerds、体格はきゃしゃか幼児体型でオタク素質、人とのコミュニケーション能力、運動能力は低いけど自分的には満たされてる人種)を中心に、JocksやCheerleaders らのハリウッド的な世界にはない、より down to earth で never happy ending な世界観でカルト的な支持を得ているこのドラマは、82年の「E.T.」をきっかけにエイティーズのアメリカンキッズライフに魅了されてしまった僕にとっては目からウロコ的な作品。そこをもっと見たかった、そこの所を巧く(=ありのままに)描写して欲しかった、といった場面の連続に空いた口が塞がらず。。毎エピソード、各シーンごとに選曲された音楽(曲数がスゴい、DVD化の為にクリアランスを取得するのに4年を費やす)とか、衣装(パンツの太さから当時の細かいトレンドまで)言葉使い、乗ってる自転車、マニア泣かせのギミック等々、これでもかと云わんばかりの拘りよう。1ショットの密度と全体の完成度が圧倒的にアウトスタンディング。。。「Sixteen Candles」「Breakfast Club」「Ferris Beauller's Day Off」「Fast Times at Ridgemont High」等ではカバーしきれなかった隙間をドラマならではのきめ細かいタッチで丁寧に埋めてみました、といった感じ。これを見て今年のドラマランキング 2 位の「My Name is Earl」とかを見るとすっかすかに感じてしまう。。取り上げてる題材、karma とかは自分に置き換えて見れたりして面白いし、作り込みも現代っぽくてイケてるけど、Earlとかいつも同じカッコしてるしなぁ、みたいな、笑。「Feaks and Geeks」はテレビ局側の不明確な理由でワンシーズンも持たなかった?(エミー賞取っておいて)という問題作でもあるのです。(まぁ、エンディングを見ればそれもうなずけるのだけど)これを観ずにして学園を語るなかれ!!!