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Title: いのちの食べ方 (our daily bread)

ホラー映画ではないです、笑。でもホラー映画なんかよりもむしろ全然恐ろしいかもしれない。これは03〜05年の間にドイツで撮影された、様々な食物がどの様に生産/加工されているのかを克明に記録したドキュメンタリー映画。ナレーションなし、音楽なし、容赦なし。ただただ長回しのショットでありのままの光景を映し出しているだけ。その手法がやけにリアル。工場で働いている人の会話も聞こえるけどサブタイトルはなし。マシーンの騒音と家畜の悲鳴がBGM。人や機械が、野菜や果物、牛豚鶏を「モノ」の様に扱う様を淡々と見せる、見せる、見せる。どうみても農場ではなく工場。agriculturalではなくindustrial。このビジュアル、食事をする前に見るのは控えた方がいいかもしれません。って、食べ物が出来る過程なのに??何か矛盾してる気が、、。ちなみに映倫の規制はPG-12。つまり12歳以下の子供は親が同伴しないとどうやって我々が毎日食べている物が出来ているのかを見てはいけないということ。僕が今回見たのは小泉武夫氏(東京農業大学教授/日本食育士協会特別顧問)のトークショー付きの特別回。そこで興味深いことを聞きました。一つは人間は生きた物しか食べないということ。口にする物すべては生命体であると、。確かに土とか砂利とか食べないですよね、、。で、他国の多くは食事の際に神様に感謝するのに対し、日本人は「いただきます」と言う。それは生きている物のいのちを「いただいている」から、と説いていて、日本人の食文化は他国のそれよりも理念的なはずだとか、。が、食料自給率は40%以下と先進国最下位にも関わらず処分している食料の量(賞味期限切れなどで)は世界トップであると、、。もしかしたらこの映画の中のアブノーマルな食料生産システムを最も助長しているのは我が国なのではないか、という懸念を胸に観させてもらいました。見終えて思ったのが、僕たちの体は自分が食べた物で出来ている。そしてこの映画はその食べ物が出来るまでの話。言い方を換えれば、これは「僕たちの体が出来るまで」のプロローグ的な映画という見方もできるということ、、。

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